ITパスポート 令和6年度 公開問題(過去問) 問63 について解説します。
問題
問63 SSDの全てのデータを消去し、復元できなくする方法として用いられているものはどれか。
ア Secure Erase
イ 磁気消去
ウ セキュアブート
エ データクレンジング
選択肢 ア : Secure Erase
Secure Eraseは、SSDやHDDに搭載されているATAコマンドの一つで、製造元が提供する方法でデータを完全に消去する機能です。SSDはHDDと違い、データの物理的な構造が複雑なので、Secure Eraseのような専用の方法が必要です。これが正解です。
(具体例)
・SSDを中古で売る前に、データを完全に消したいときに使う。
・通常の「削除」や「フォーマット」ではデータが復元可能だが、Secure Eraseはコントローラレベルで全データを上書きし、復元を不可能にする。
選択肢 イ : 磁気消去
磁気消去(Degaussing)は、強力な磁場を使って磁気ディスク(HDDや磁気テープ)を無効化する方法です。SSDは磁気を使っていないため磁気消去は効果がなく、これは誤りです。
(具体例)
・古いHDDや磁気テープを廃棄する際に、専用の「消磁装置(Degausser)」を使ってデータを破壊。
選択肢 ウ : セキュアブート
セキュアブート(Secure Boot)は、OS起動時に信頼されたソフトウェアのみを起動させるセキュリティ機能です。これは起動時の安全性に関する機能であり、データ消去とは無関係です。そのため、これは誤りです。
(具体例)
・WindowsやLinuxで、マルウェアがブート時に読み込まれるのを防ぐ。
選択肢 エ : データクレンジング
データクレンジング(Data Cleansing)は、データベースなどで誤ったデータや重複データを修正・削除する作業です。これはデータの品質向上が目的であり、完全消去ではありません。そのため、これは誤りです。
(具体例)
・顧客データベースで、同じ顧客が2件登録されていた場合に統合する。
解答
以上により、この問題の解答は「ア」になります。