ITパスポート 令和6年度 公開問題(過去問) 問74 について解説します。
問題
問74 トランザクション処理に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア コミットとは,トランザクションが正常に処理されなかったときに,データベースをトランザクション開始前の状態に戻すことである。
イ 排他制御とは,トランザクションが正常に処理されたときに,データベースの内容を確定させることである。
ウ ロールバックとは,複数のトランザクションが同時に同一データを更新しようとしたときに,データの矛盾が起きないようにすることである。
エ ログとは,データベースの更新履歴を記録したファイルのことである。
解説・解答
トランザクションとは
トランザクションは、簡単に言うと「まとめて処理するひとかたまり」のことです。
例えば、銀行で「振込」をするとき、次のような流れがあります。
1.あなたの口座から1万円を引き落とす
2.相手の口座に1万円を入れる
この2つの処理はどちらかだけ成功すると困るので「まとめてセットで処理」します。これがトランザクションです。
それぞれの選択肢について確認します。
ア: コミットとは,トランザクションが正常に処理されなかったときに,データベースをトランザクション開始前の状態に戻すことである。
「コミット」とは、トランザクション内のすべての処理を確定させることです。トランザクションが正常に処理されなかったときにデータベースをトランザクション開始前の状態に戻すのは「ロールバック」です。
イ: 排他制御とは,トランザクションが正常に処理されたときに,データベースの内容を確定させることである。
「排他制御」とは、複数のトランザクションが同時に同じデータにアクセスした際、データ不整合を防ぐために一時的にロックする仕組みです。トランザクションが正常に処理されたときにデータベースの内容を確定させるのは「コミット」です。
ウ: ロールバックとは,複数のトランザクションが同時に同一データを更新しようとしたときに,データの矛盾が起きないようにすることである。
「ロールバック」とは、トランザクション内でエラーが起きた場合に、処理前の状態に巻き戻す操作です。複数のトランザクションが同時に同一データを更新しようとしたときにデータの矛盾が起きないようにするのは「排他制御」です。
エ: ログとは,データベースの更新履歴を記録したファイルのことである。
ログ(トランザクションログ)とは、データベースの更新履歴や操作履歴を記録するファイルです。障害時の復旧や監査に使用します。これが正しい記述です。
以上により、この問題の解答は「エ」になります。