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情報セキュリティマネジメント試験 令和6年度 公開問題(過去問) 問12 解説

情報セキュリティマネジメント試験 令和6年度 公開問題(過去問) 問12 について解説します。

問題

問12 特性要因図を説明したものはどれか。

ア 原因と結果の関連を魚の骨のような形態に整理して体系的にまとめ、結果に対してどのような原因が関連しているかを明確にする。
イ 時系列的に発生するデータのばらつきを折れ線グラフで表し、管理限界線を利用して客観的に管理する。
ウ 収集したデータを幾つかの区間に分類し、各区間に属するデータの個数を棒グラフとして描き、品質のばらつきを捉える。
エ データを幾つかの項目に分類し、出現頻度の大きさの順に棒グラフとして並べ、累積和を折れ線グラフで描き、問題点を絞り込む。

解説・解答

特性要因図とは
問題(特性)に対して考えられる原因(要因)を体系的に整理するための以下のような図です。

図は、右に問題(結果)を書き、左側から魚の骨のように要因を枝分かれさせます。
「なぜこの問題が起きるのか?」を漏れなく、重複なく洗い出すための思考ツールです。

それぞれの選択肢について確認します。

ア: 原因と結果の関連を魚の骨のような形態に整理して体系的にまとめ、結果に対してどのような原因が関連しているかを明確にする。
上記で説明した通り、これが特性要因図の説明で正解です。
(特性要因図を使う場面の例)
「納品ミスが多い」 → 「人(教育不足・確認漏れ)」「機械(端末故障)」「方法(手順不備)」など原因を体系的に並べる。

イ: 時系列的に発生するデータのばらつきを折れ線グラフで表し、管理限界線を利用して客観的に管理する。
これは管理図の説明です。時系列の折れ線グラフに上限・下限の線を引いて、データが安定しているかを見る図です。
(管理図を使う場面の例)
製品の長さを毎日測って折れ線グラフにし、管理限界線を超えたら異常ありと判断する。

ウ: 収集したデータを幾つかの区間に分類し、各区間に属するデータの個数を棒グラフとして描き、品質のばらつきを捉える。
これはヒストグラムの説明です。区間ごとに棒で度数(件数)を表示し、「どの範囲にデータが多いか」「どんな形でデータが散らばっているか」を見る図です。
(ヒストグラムを使う場面の例)
納品重量の誤差を棒グラフで区間ごとに分類し、分布の形(正規分布・偏りなど)を確認する。

エ: データを幾つかの項目に分類し、出現頻度の大きさの順に棒グラフとして並べ、累積和を折れ線グラフで描き、問題点を絞り込む。
これはパレート図の説明です。発生件数の多い順に棒グラフで並べ、累積折れ線グラフを重ねた図です。「パレートの法則(80:20の法則)」を視覚化して「どこから手をつけるべきか」重要少数の要因を絞り込むための図です。
(パレート図を使う場面の例)
不良の原因が、傷100件、汚れ60件、割れ20件、欠け20件の場合、棒を大きい順に並べて、傷と汚れの2種類で全体の8割を占めるので、対策をそこに集中すれば不良の大半を減らせると判断する。

以上により、この問題の解答は「ア」になります。