ITパスポート 令和6年度 公開問題 問1 について解説します。
問題
問1 マーケティングオートメーション(MA)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 企業内に蓄積された大量のデータを分析して、事業戦略などに有効活用する。
イ 小売業やサービス業において、販売した商品単位の情報の収集・蓄積および分析を行う。
ウ これまで人間が手作業で行っていた定型業務を、AIや機械学習などを取り入れたソフトウェアのロボットが代行することによって自動化や効率化を図る。
エ 見込み顧客の抽出、獲得、育成などの営業活動を効率化する。
選択肢 ア : BI(Business Intelligence)
選択肢アの「企業内に蓄積された大量のデータを分析して、事業戦略などに有効活用する。」は「BI(Business Intelligence)」です。
Business Intelligence(BI) とは、企業が蓄積した「さまざまなデータ」を集めて、分析・可視化し、経営や業務の意思決定に活かす仕組みや技術のことです。具体的には次のようなことを行います。
・売上や顧客データなどをグラフやダッシュボードで「見える化」
・売れ筋商品や、問題のある部門を特定
・将来のトレンドや課題を予測して、対策を考える
選択肢 イ : POS(Point Of Sale)システム
選択肢イの「小売業やサービス業において、販売した商品単位の情報の収集・蓄積および分析を行う。」は「POS(Point of Sale)」です。
POS(販売時点情報管理) は、商品が「売れた瞬間」の情報を記録する仕組みです。商品名、単価、数量、購入日時、店舗、担当者などの情報が自動で収集されます。これにより、「どの時間帯に何が売れてるか?」「リピーターが多い商品は?」「曜日別・店舗別の売上傾向は?」などが明確になり、売れ筋商品の把握、在庫管理、販促戦略の立案、戦略的な意思決定などが可能になります。
選択肢 ウ : RPA(Robotic Process Automation)
選択肢ウの「これまで人間が手作業で行っていた定型業務を、AIや機械学習などを取り入れたソフトウェアのロボットが代行することによって自動化や効率化を図る。」は「RPA(Robotic Process Automation)」です。
RPAが使える業務としては、例えば以下のような業務があります。
・データ転記:Excel → Webシステムへ自動入力
・請求書処理:メール添付のPDF請求書から内容を抜き出して集計
・帳票作成:日次売上報告書を自動で作成して、上司にメール送信
・顧客管理:顧客情報を定期的にCRMにアップデート
・Web操作:サイトから定期的に価格データを取得してレポート化
RPAには「スピードが早い(人の何倍もの速さで作業可能)」「ミスがない(決められたルールどおりに正確に処理)」「24時間365日働ける(夜間や休日も作業できる)」といったメリットがあります。
選択肢 エ : MA(Marketing Automation)
選択肢エの「見込み顧客の抽出、獲得、育成などの営業活動を効率化する。」は「マーケティングオートメーション(MA)」です。
MA(マーケティングオートメーション) とは、見込み顧客の発掘・育成・スコアリング・アプローチを、自動化・効率化するためのツールや仕組みのことです。
MAでできることには下記があります。
・顧客リスト管理:メルマガ登録、資料DL、Web行動などで蓄積
・スコアリング:顧客の行動に応じて「点数」をつけて見込み度を判定
・メールマーケティング:自動でメール配信(例:フォローアップメールの送信)
・パーソナライズ配信:興味に応じて内容を出し分け(例:興味に応じたメルマガを配信)
・リードナーチャリング:段階的に信頼を築く情報提供(=リード育成)
・営業との連携:スコアが高まったらSFA(Sales Force Automation)に自動連携して商談に進む
解答
以上により、この問題の解答は「エ」になります。