ITパスポート 令和6年度 公開問題 問4 について解説します。
問題
問4 従来の金融情報システムは堅ろう性が高い一方、柔軟性に欠け、モバイル技術などの情報革新に追従したサービスの迅速な提供が難しかった。これを踏まえて、インターネット関連技術の取込みやそれらを活用するベンチャー企業と組むなどして、新たな価値や革新的なサービスを提供していく潮流を表す用語として、最も適切なものはどれか。
ア オムニチャネル
イ フィンテック
ウ ブロックチェーン
エ ワントゥワンマーケティング
選択肢 ア : オムニチャネル
オムニチャネルとは、企業が顧客と接する複数のチャネル(販売・コミュニケーション手段)を統合し、一貫した体験を提供する戦略のことです。
オムニチャネルでは、実店舗(リアル店舗)、オンラインストア(ECサイト)、スマートフォンアプリ、SNS(Instagram, LINEなど)、コールセンター・カスタマーサポート、メール・チャットボットといったチャネルをシームレスにつなぐことを目指します。
選択肢 イ : フィンテック
フィンテック(FinTech)とは、「Finance(金融)」 × 「Technology(テクノロジー)」 を組み合わせた造語で、ITや最新技術を活用して金融サービスを革新することを指します。伝統的な金融機関が、ITやスタートアップと協業して進化しようとする動きそのものを示しています。
フィンテックは、キャッシュレス決済、投資アプリ・ロボアドバイザー、会計・経理の自動化、ブロックチェーン・仮想通貨、クラウドファンディングのような分野に使われています。
選択肢 ウ : ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、取引データを「ブロック」という単位でまとめ、鎖(チェーン)のように時系列でつなげて記録していく仕組みのことです。次のような特徴があります。
・改ざんが困難: データは暗号化され、前後のブロックと連携しているため、書き換えるには全体を改ざんする必要がある。
・分散型: 特定の管理者がいない。ネットワーク参加者全員でデータを共有・管理。
・透明性が高い: 誰でも履歴を確認できる。(公開型の場合)
選択肢 エ : ワントゥワンマーケティング
ワントゥワンマーケティングとは、一人ひとりの顧客に合わせて、最適な商品・サービス・情報を提供するマーケティング手法のことです。顧客満足度の向上、購買率やリピート率の向上、長期的な顧客ロイヤルティの獲得といったメリットがあります。
(実際の例)
・Amazon: その人が買いそうな商品を提示。
・Netflix: その人が観そうな映画をトップに表示。
・Starbucksアプリ: その人がよく行く時間や店舗に合わせたクーポン提供。
解答
以上により、この問題の解答は「イ」になります。