ITパスポート 令和6年度 公開問題 問7 について解説します。
問題
問7 システム開発の上流工程において、業務プロセスのモデリングを行う目的として、最も適切なものはどれか。
ア 業務プロセスで取り扱う大量のデータを、統計的手法やAI手法などを用いて分析し、データ間の相関関係や隠れたパターンなどを見いだすため
イ 業務プロセスを可視化することによって、適切なシステム設計のベースとなる情報を整備し、関係者間で解釈を共有できるようにするため
ウ 個々の従業員がもっている業務に関する知識・経験やノウハウを社内全体で共有し、創造的なアイディアを生み出すため
エ プロジェクトに必要な要員を調達し、チームとして組織化して、プロジェクトの目的の達成に向けて一致団結させるため
選択肢 ア : データマイニング
選択肢アの「業務プロセスで取り扱う大量のデータを、統計的手法やAI手法などを用いて分析し、データ間の相関関係や隠れたパターンなどを見いだす」は「データマイニング」です。
データマイニングとは、業務プロセスで蓄積された大量のデータを対象にして、統計的手法、機械学習やAI技術、パターン認識、相関分析などの分析を行う手法です。データ間の相関関係、隠れたパターン、傾向やルールを見つけ出して、意思決定の支援や業務改善に役立てることが目的です。
選択肢 イ : 業務プロセスモデリング
選択肢イの「業務プロセスを可視化することによって、適切なシステム設計のベースとなる情報を整備し、関係者間で解釈を共有できるようにする」は「業務プロセスモデリング」です。
業務プロセスモデリングとは、システム開発の上流工程(要件定義など)で実施され、業務プロセスを図やモデルで可視化し、現状の業務の流れや役割、データのやり取りを明らかにすることで、適切なシステム設計や業務改善の基盤を整備し、関係者間の共通理解を形成することです。
選択肢 ウ : ナレッジマネジメント
選択肢ウの「個々の従業員がもっている業務に関する知識・経験やノウハウを社内全体で共有し、創造的なアイディアを生み出す」は「ナレッジマネジメント」です。
ナレッジマネジメントとは、個々の従業員がもつ業務知識・経験・ノウハウ(暗黙知・形式知)を組織全体で共有・活用・蓄積する仕組みをつくり、創造的なアイディアの創出や業務の効率化・高度化を目指す取り組みです。
選択肢 エ : プロジェクトチームマネジメント
選択肢エの「プロジェクトに必要な要員を調達し、チームとして組織化して、プロジェクトの目的の達成に向けて一致団結させる」は「プロジェクトチームマネジメント」です。
プロジェクトチームマネジメントとは、プロジェクトに必要なスキルやリソースを持った要員を調達し、適切にチームを組織化して、プロジェクトの目標達成に向けて協働できる体制を構築することです。
解答
以上により、この問題の解答は「イ」になります。