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ITパスポート 令和6年度 公開問題 問17 解説

ITパスポート 令和6年度 公開問題 問17 について解説します。

問題

問17 技術開発戦略において作成されるロードマップを説明しているものはどれか。

ア 技術の競争力レベルと技術のライフサイクルを2軸としたマトリックス上に,自社の技術や新しい技術をプロットする。
イ 研究開発への投資とその成果を2軸とした座標上に,技術の成長過程をグラフ化し,旧技術から新技術への転換状況を表す。
ウ 市場面からの有望度と技術面からの有望度を2軸としたマトリックス上に,技術開発プロジェクトをプロットする。
エ 横軸に時間,縦軸に市場,商品,技術などを示し,研究開発成果の商品化,事業化の方向性をそれらの要素間の関係で表す。

選択肢 ア : 技術ポートフォリオ

選択肢アの「技術の競争力レベルと技術のライフサイクルを2軸としたマトリックス上に,自社の技術や新しい技術をプロットする」のは「技術ポートフォリオ」です。
技術ポートフォリオとは、「技術の競争力レベル」と「技術のライフサイクル」を2軸にしてマトリックス上に技術をプロットする手法で、企業が保有する複数の技術を整理・評価して、どの技術に投資するべきか、維持すべきか、撤退すべきかを判断するためのフレームワークです。
(各軸の意味)
・技術の競争力レベル: その技術が市場でどれだけ優位性を持っているか
・技術のライフサイクル: その技術が成長期にあるのか、成熟しているのか、衰退期にあるのかなど

選択肢 イ : Sカーブ(技術の成長曲線)

選択肢イの「研究開発への投資とその成果を2軸とした座標上に,技術の成長過程をグラフ化し,旧技術から新技術への転換状況を表す」のは「Sカーブ(技術の成長曲線)」です。
Sカーブ(技術の成長曲線)とは、「研究開発への投資」と「成果(性能や市場へのインパクトなど)」を2軸にして技術の成長過程をグラフ化して、技術の進化と限界、新技術への転換タイミングを見極めるためのフレームワークです。
技術は一般的に、以下のように進化します。
1.導入期(成長が遅い)
2.成長期(急激に性能向上)
3.成熟期(伸びが鈍化)
4.限界 → 新技術へシフト
このカーブの形が「S字」に見えることから「Sカーブ」と呼ばれます。

選択肢 ウ : 技術評価マトリックス

選択肢ウの「市場面からの有望度と技術面からの有望度を2軸としたマトリックス上に,技術開発プロジェクトをプロットする」のは「技術評価マトリックス」です。
技術評価マトリックスは技術開発プロジェクトの戦略的優先順位を判断するためのフレームワークです。
(各軸の意味)
・市場面からの有望度: 市場規模、成長性、ニーズの強さ、競争状況など
・技術面からの有望度: 技術の独自性、実現可能性、技術力の優位性、開発の難易度など

(技術評価マトリックスの例)
    | 高
    |
市場面の|   ●(スター技術)
有望度 |
    |    ●(育成技術)
    |______________
      技術面の有望度
     低       高

選択肢 エ : 技術ロードマップ

選択肢エの「横軸に時間,縦軸に市場,商品,技術などを示し,研究開発成果の商品化,事業化の方向性をそれらの要素間の関係で表す」のは「技術ロードマップ」です。
技術ロードマップとは、時間軸に沿って技術・製品・市場などの進化・展開を整理し、研究開発の成果が、どのように商品やビジネスへつながっていくかを示す図です。

(技術ロードマップの例)

年度市場ニーズ製品/サービス必要な技術
2025○○への対応△△製品の開発新素材Aの確立
2026海外展開の強化次世代モデル開発高耐久性技術Bの導入
2027環境対応強化環境型製品導入再生可能エネルギー対応

解答

以上により、この問題の解答は「エ」になります。