ITパスポート 令和6年度 公開問題 問19 について解説します。
問題
問19 ある銀行では,システムの接続仕様を外部に公開し,あらかじめ契約を結んだ外部事業者のアクセスを認めることによって,利便性の高い,高度なサービスを展開しやすくしている。このような取組を表す用語として,最も適切なものはどれか。
ア BPO
イ RPA
ウ オープンAPI
エ 技術経営
選択肢 ア : BPO
BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業が自社の業務プロセスの一部を外部企業に委託することを指します。BPOの目的としては、コスト削減(人件費・設備費を抑える)、専門性の活用(自社より高品質な業務遂行)、業務効率の向上(コア業務に集中できる)、柔軟な組織運営(必要なときに必要なリソースを確保)などがあります。
(例)
・ある企業が自社のカスタマーサポート業務をインドのコールセンター会社に委託する。
・経理業務をアウトソーシング会社に任せて、自社は製品開発に集中する。
選択肢 イ : RPA
RPA(Robotic Process Automation)とは、人がパソコンで行っている定型的な作業をソフトウェアのロボットが自動で実行する技術です。RPAには「スピードが早い(人の何倍もの速さで作業可能)」「ミスがない(決められたルールどおりに正確に処理)」「24時間365日働ける(夜間や休日も作業できる)」といったメリットがあります。
RPAが得意な仕事の特徴には次のようなものがあります。
・繰り返し発生する業務
・明確なルールがある作業
・大量処理が必要だけど判断が少ない業務
・人が手動でソフトを操作して行う作業(マウスやキーボードの操作)
選択肢 ウ : オープンAPI
オープンAPI(Open Application Programming Interface)とは、第三者が自社のサービスやシステムと連携できるように、APIを公開することです。わかりやすく言うと「このシステム(またはアプリ)は、こうやってデータをやり取りできますよ」と開発者向けに使い方を説明して使えるようにした入り口がオープンAPIです。あらかじめ契約を結んだ外部事業者に対してシステム接続を許可することで、新しいサービスを生み出したり、利便性を高めたりする取り組みは、オープンAPIの代表的な活用方法です。
(オープンAPIの具体例)
・Google Maps API: 外部のアプリやWebサイトが地図を表示したり、経路検索を利用したりできます。
・Twitter API: 他のアプリがツイートを取得したり、投稿したりできます。
・天気API :天気情報を取得して、自分のアプリに表示できます。
選択肢 エ : 技術経営
技術経営(MOT:Management of Technology)とは、技術を戦略的に活用してビジネスの成功に結びつけるための経営の考え方や手法を指します。「技術を価値に変えて、事業として成功させるにはどうするか」という視点で経営を行うのが「技術経営」です。
(技術経営で大事なこと)
・技術の目利き力
どの技術が将来性があるか?自社にとって必要か?を見極める力。
・市場ニーズとのマッチング
技術があっても、使う人がいなければ意味がない。市場とどうつなぐか。
・人材・組織マネジメント
技術者・研究者をどう育てるか、どうチームで動かすか。
・イノベーションの実現
新しい製品・サービスにどうつなげるか。(特許戦略や資金調達も含む。)
解答
以上により、この問題の解答は「ウ」になります。