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ITパスポート 令和6年度 公開問題 問33 解説

ITパスポート 令和6年度 公開問題 問33 について解説します。

問題

問33 次の記述のうち、業務要件定義が曖昧なことが原因で起こり得る問題だけを全て挙げたものはどれか。

a 企画プロセスでシステム化構想がまとまらず、システム化の承認を得られない。
b コーディングのミスによって、システムが意図したものと違う動作をする。
c システムの開発中に仕様変更による手戻りが頻発する。
d システムを受け入れるための適切な受入れテストを設計できない。

ア a、b
イ b、c
ウ b、d
エ c、d

解説・解答

この問題は業務要件定義が曖昧であることによって引き起こされる問題を問うものです。
業務要件定義とは、業務で何を実現したいのか(業務の目的や課題)を明確にする工程です。

それぞれの選択肢について確認します。

a. 企画プロセスでシステム化構想がまとまらず、システム化の承認を得られない。
企画プロセスとは、何のためにシステム化するのか、経営課題は何か、投資効果はあるかなどを検討するフェーズです。企画プロセスは業務要件定義の前に行われるため、a は該当しません。

b. コーディングのミスによって、システムが意図したものと違う動作をする。
これはコーディングの技術的なミスが原因であって、設計書やプログラムの実装の段階のミスです。業務要件定義の曖昧さとは直接関係がないため、b は該当しません。

c. システムの開発中に仕様変更による手戻りが頻発する。
業務要件定義が曖昧なまま設計・開発を始めてしまうと、あとから「やっぱりこうしてほしい」という仕様変更が発生しやすくなります。手戻りが頻発するのは、要件定義の不備が大きな要因です。よって、c は該当します。

d. システムを受け入れるための適切な受入れテストを設計できない。
業務要件が明確でないと、何をもって「正しく動作している」と判定するのかが曖昧になり、受入れテストの条件も不明確になって受入れテストを設計できません。よって、d は該当します。

c と d が、業務要件定義の曖昧さにより起こる問題です。

以上により、この問題の解答は「エ」になります。