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ITパスポート 令和6年度 公開問題(過去問) 問99 解説

ITパスポート 令和6年度 公開問題(過去問) 問99 について解説します。

問題

問99 GPSの電波を捕捉しにくいビルの谷間や狭い路地などでも位置を計測することができるように、特定の地域の上空に比較的長く留まる軌道をとり、GPSと併用することによって、より高い測位精度を実現するものはどれか。

ア アシストGPS
イ ジャイロセンサー
ウ 準天頂衛星
エ プローブカー

選択肢 ア : アシストGPS

アシストGPS(A-GPS = Assisted GPS)は、携帯電話基地局やインターネットからGPS補助データ(位置情報、時刻情報、軌道予測データ)を取得し、GPS測位を早く・確実にする仕組みです。「上空に長く留まる衛星」という話とは関係なく、地上インフラ(通信ネットワーク)を利用する仕組みです。

選択肢 イ : ジャイロセンサー

ジャイロセンサーは、角速度(回転する速さ)を計測するセンサーです。スマホやドローン、カーナビ、ロボット、自動運転車などで「自分がどちらの方向を向いているか」を知るために使われます。これは衛星ではなく機器側のセンサーで、衛星軌道や上空に長く留まる話と関係ありません。

選択肢 ウ : 準天頂衛星

準天頂衛星(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)は、日本上空に長時間滞在するように設計された軌道(準天頂軌道)を持つ衛星です。日本の「みちびき」などが代表例です。高層ビルが多い都市部や山間部でも、常に天頂付近に衛星があるため、安定した測位が可能で、GPSと併用してより高い測位精度(数cmレベル)を実現可能です。「特定の地域の上空に比較的長く留まる軌道をとる」に該当し、これが正解です。

選択肢 エ : プローブカー

プローブカーは、カーナビやタクシーなどの車両に搭載されたGPS・通信機器を使って、走行経路・速度情報をリアルタイムに集めるシステムです。道路交通情報(渋滞・混雑・平均速度)を集約し、VICSやGoogle Mapsなどの渋滞情報に活用します。衛星軌道や上空に長く留まる話や測位精度を直接上げる話とは関係ありません。

解答

以上により、この問題の解答は「ウ」になります。